動物から人に感染する病気 2
エキノコックスの「エキノス」とは、ギリシャ語で「とげ(棘)」、「コックス」とは同じくギリシャ語で「丸い粒」という意味です。
エキノコックスという名称は、幼虫にも、成虫にも使用されます。
ふつう、寄生虫の場合は、名称(学名)は成虫(親虫)に対してつけられるものですが、エキノコックスでは、
幼虫がさきに発見されて名称がつけられた関係上、成虫も同1の名称で呼ばれています。
つまり、エキノコックスという名称は、条虫科の条虫の属名であると同時に、条虫の幼虫である黎虫の属名でもあります。
和名で包虫というのは「袋の虫」という意味です。
以下とくにことわらない場合は、エキノコックスは幼虫として用います。
エキノコックス病(包虫病)が知られるようになったのはかなり古く、北大名誉教授によれば、紀元前400年ごろ、ヒポクラテスの時代に、すでに臨床的に知られていたようです。
以後、16世紀までは、結石あるいは悪性腫瘍として扱われていたそうですが、17世紀の末になって、これは動物的性質をもつものだろうと考えられるようになりました。
この袋のようなもののなかにある多数の微小体(原頭節)が、条虫の頭節と関係があるのではないかと考えられるようになり、やがてこれが動物の寄生虫として認められたのは、約200年前、ドイツのゲーツェ(1782年)によってです。
そして1805年に同じドイツのルドルフィーにより、エキノコックスという現在の名称がつけられました。