動物から人に感染する病気
狂犬病は日本にはありませんが、外国にはひじょうに多いので、もし外国でかまれた場合は(イヌだけでなく、すべての野獣を含む)、よく注意しなければなりません。
とくに最近は、東南アジアに旅行する人が多いようですが、台湾、香港、シンガポール以外は、イヌ、ネコの狂犬病が多いので、気をつけなければいけません。
最後に、人体用ワクチンについてですが、最近人体用の狂犬病ワクチンは長足の進歩を遂げ、まったく安全な組織培養ワクチンが開発されて、副作用の心配がなくなりました。
この新しい組織培養ワクチンは、かまれる前の予防にも効果がありますので、狂犬病の存在する危険な外地へ旅行するときなどは、予防的に接種していくこともよいでしょう。
「エキノコックス」というイヌ、キツネ、ネコなどに寄生する条虫の幼虫感染による動物や人の病気を包虫病といいます。
人やいろいろな動物は、中間宿主として、幼虫の感染を受けるわけです。
エキノコックスという条虫は、成虫の長さが数mmしかない小さなものですが、その幼虫は中間宿主の体内で大きな袋に発育します。
この袋のなかに、将来親虫になる幼虫がだくさん含まれているのです。
もうすこし正確にいいますと、袋の内側(内壁)がふくれて、小さな袋(これを繁殖胞といいます)がいくつもでき、そのなかに、将来親虫(成虫)に発育する頭節ができます。
エキノコックスの袋の形は、単純な球形から複雑なものまでいろいろあります。
エキノコックスの幼虫は、このように袋になっているので(そのなかに液体があり、繁殖胞がたくさんある)、別名、嚢虫ともいわれています。